あらゆる生産工程に、
革新を。

理科系の大学を出たからといって、学んだことがそのまま仕事に生かせるとは限らない。しかし、幸運なことに大学で専攻していた「Industrial Engineering」を、そのまま仕事にしているのが彼女。鉄の業界ではまだまだ女性は少ないが、だからこそ自ら切り開いていく喜びがあるという。

DX戦略部
IE推進室
理工学部 管理工学科 卒
2018年入社

モノづくりに、
イノベーションを起こしたい。

 私が所属しているIE推進室の「IE」は、「Innovative Engineering」の頭文字を取ったもので、モノづくりの工程をイノベイティブに改善していくというミッションを背負っています。具体的には、日本の製造業は産業のグローバル化や国内労働人口の減少など、さまざまな外部要因を受け、これまで以上に生産効率を向上させる必要に迫られています。省エネ・省力化といった環境配慮、品質リスク低減を通じた競争力強化など、あらゆる視点からSCM(サプライチェーンマネジメント)を構築することがミッションです。IE推進室の中には、管理技術(Industrial Engineering)を用いて現場を改善していくチームや自社工場のスマートファクトリー化を推進するチーム、現場の自主管理活動を支援するチームがあります。
 今私がメインで取り組んでいるのは、スチールホイール生産における、外観目視検査の改善です。これまでホイールの検査は人間が目で見て、傷やへこみのチェックを行ってきました。傷のついた製品を出荷するわけにはいきませんので、検査員にとっては精神的にも肉体的にも負荷の高い工程です。とはいえ、それをカメラなどの最新機器を使って画像診断するのも技術的に難しい現状があります。その中で、人間の目の特性を生かした目視検査ができる工程をデザインする、それがこのプロジェクトの目標です。大学でも研究していた人間工学のテーマを任せてもらいました。
 ホイールは曲面の多い形状をしており、その検査はとても難しいのです。例えば、照明の設置位置を変えると傷の見やすさが変わることがわかりました。一方で、カメラやAIなどで検査が自動化できるものはないのか、その両面から試行錯誤をしている最中です。
 現在は綾瀬製造所のラインで実験的に検証を始めている段階ですが、うまく成果が出れば、ほかのラインや工場にも横展開していくことになります。

ものごとを
俯瞰して見る

理論も現場感覚もわかる、
技術者になる。

 もう一つ私が任されているのは、海外関連会社の生産性向上です。生産性向上と一言で言っても、取り組むべきテーマは多岐にわたります。1年間の傾向を分析するテーマや丸一日測定し全体を俯瞰するテーマ。それに対し、0.1秒単位で短縮を図るテーマなど、マクロからミクロまで広い視点が必要です。テーマも品質、安全、コストなどさまざまで、IE推進室のメンバーがそれぞれの課題に対し、生産性向上の提案を行っています。
 現場での改善を進めていると理論だけではうまくいかないことがたくさんあります。改善のためには人の動きや設備の動作、それまでのやり方を変える必要があり、工場で働くマネージャーや設備スタッフ、作業者の同意と協力は不可欠です。
 私は日頃から製造ラインで作業を行っているわけではありません。そして、それぞれの工程で使われている機械や設備についての専門知識もありません。本社に籍を置き、さまざまな部門の「Innovative Engineering」を推進する立場だからこそ、常にものごとを俯瞰して見つめ、さらに現場について学び続ける必要があると思っています。現場で働く社員の理解や協力なしには改善は進みませんので、密なコミュニケーションや現場の思いをくみ取る力、行動してもらえるように伝える力も必要です。私にとっては大変なことばかりですが、だからこそのやりがいも感じます。
 当面の目標は今任されているプロジェクトを成功させることですが、ゆくゆくは、プロジェクトリーダーとして大きな成果を出したい。そのために、理論をしっかり踏まえながら、現場でIEを推し進めていける技術者になることが私の目標です。

Message

憧れの会社、イメージの良い会社、好きな会社…。就職活動にはさまざまなモノサシがあると思いますが、個人的には「就社」ではなく、文字通り「就職」することをお勧めします。どのような仕事をし、どのような働き方をし、どのような人生を送りたいか考えたとき、私にはトピー工業が最適でした。

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