瞬間瞬間に、
状況は変わる。
それを見越して
先回りする。

大学では社会心理学を専攻しており、とりわけ組織内コミュニケーションについて考察する機会が多かった。中でも興味深かったのが、日本企業と外資系企業の体質の差。それぞれに一長一短があり、将来成長への課題や展望がある。そうした中で、就活時には日本企業を中心に回った。トピー工業に決めた理由は、「変わろうとしている組織で、自分が貢献できる規模感でした」と振り返る。

綾瀬製造所
業務管理部 商用車生産管理グループ
コミュニケーション学部
コミュニケーション学科 卒
2019年入社

年間100万本超。
トップシェアのホイールの、安定供給を一手に担う。

 綾瀬製造所は、商用車や建設機械などのホイールを製造する拠点です。私が任されているのは、トラックやバスといった商用車ホイールの生産管理をすること。完成車メーカーからの発注を受けて、1カ月あたりの生産数量を定め、そこからブレイクダウンして、1日でいくつのホイールをつくれば良いのか。それを実現するためにどのラインをどの程度稼働させれば良いのか。そこにはどれくらいの人員が必要になるのか熟考し、稼働計画を完成させます。
 ホイールは、大きく分けるとリムとディスクの二つのパーツからできています。ディスクは鉄板を丸く打ち抜き、絞り工程で形状を整え、固定用の穴を開け、さらにはリムとの接合精度を高めるために削りの工程を通ります。一方のリムも鉄板を丸め、内側に溝をつくる成型などの工程を用いて生産します。その2パーツを合体させることでホイールとして完成するわけです。私が担当している商用車では16工程のラインを使い、年間で100万本を超えるホイールを生産していますが、ホイールのサイズや形状はさまざまあるため、受注した納期に間に合うように、生産効率を意識しながら稼働させるラインを上手に振り分けなければなりません。
 そうしたいくつもの工程を把握して生産計画を立てていくのですが、もちろん計画はあくまで理想にすぎません。ラインは頻繁に問題を起こしますし、ホイールのもとになる鉄素材の調達遅延や新作の試験生産依頼が突発的に入ってくるなどの外部要因もあり、立てた計画通りにことが運ぶことのほうが少ないと言って良いかもしれません。とは言っても、サプライヤーとして完成車メーカーへの納期を遅延するわけにもいかないため、常に最適な日程に更新し続けます。作業の順序を入れ替え、ラインの稼働を替え、各工程間の在庫を管理し、残業時間の規定ともにらめっこです。日々、パズルゲームを繰り返すようなイメージですね。

「日本企業」的な
風土

トピー工業は、もっと変えてゆける。
標準化、IT化などを通じて会社を進化させたい。

 新卒で入社してすぐに商用車ホイールの生産管理業務に携わり、一人で多くの担当を任されるとは思っていなかったためとても驚きました。
 もちろん当初は失敗の連続で、上司から問われたことに答えられないことも多々ありました。少しずつ自分なりに成長していると感じられるようになったのは、日々の日報を丁寧に書くようになってからです。その日に感じた課題を文字として残し、翌日の「To Doリスト」を明確にする。一つひとつに意識的に向き合うことで、業務の質が向上していくのだと知りました。また、目の前で起きているトラブルに対処する際に、過去の記録をさかのぼれば原因が見つかることにもつながります。
 今私が積極的に取り組んでいるのは、業務の標準化です。誰が後任になっても同じ水準の仕事が継続されるためには、口頭での引き継ぎではなく、ブレないマニュアルが必要だと思います。属人化から脱却できれば一人ひとりの仕事の効率も上がりますし、引いてはトピー工業という組織全体にとっても人材の有効活用につながるはずだと私は考えています。『DX(Digital Transformation)』の必要が叫ばれていますが、ITの活用に関してはまだまだやれることが残っている気がします。
 現在の仕事は、国内シェア約90%にものぼる商用車ホイールの安定供給を支えることがミッションですが、いつかは本社で会社の成長を支える業務にも就きたいと思っています。経営企画や財務といった、より高い視座からトピー工業の将来を切り開いてゆく。当社はいわゆる「日本企業」的な風土を今も持っているところがありますが、良いところは継承し刷新すべきことは刷新する。その当事者になりたいというのが私の目標です。

Message

入社式当日、社会人になることへの不安が立ち込めたのを覚えています。規則正しい毎日、上下関係、ビジネスパーソンとしての責任。けれど気がつくと、楽しく充実した毎日を送る自分がいました。多様なバックグラウンドを持つ人の考え、仕事の進め方などを通じ、自分もまた変化したのだと思います。綾瀬製造所勤務の社員の中には、寮生活をともにしている先輩後輩もおり、人間関係に恵まれたことも大きかった気がします。学生の皆さんにもぜひトピー工業に飛び込んできてほしいと思っています。

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